聖母と純愛の神様
倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)
◆この神様の別称
夜麻登登母母曾毘売(やまととももそびめ)
◆この神様の神格・神徳
予言者的巫女といわれます。
また所願成就、家内安全、厄除け、延命長寿など。
◆この神様が祀られている全国の主な神社
田村神社[香川県高松市一宮町]
吉備津神社[岡山県吉備津]
倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)は、第七代孝霊天皇の娘で有名な「箸墓伝説」の神話の主人公です。
その巫女的な性格から「魏志倭人伝」に出てくる邪馬台国の女王である卑弥呼とイメージが合うといわれています。
よって葬られたとされる箸墓古墳(奈良県桜井市箸中)が卑弥呼の墓ではないか、とされるなど神秘的で謎めいた女神です。
「日本書紀」において、崇神天皇の伯母である倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)は聡明で、よく物事を予知されたとあります。
その一つのお話を挙げると、武埴安彦命(たけはにやすひこのみこと)・・・・孝元天皇の皇子が謀反を計画した際、神の化身である少女の歌に不吉な前兆を感じとり、いち早く天皇に告げたことで反乱を防いだと伝えられています。
豊玉姫命(とよたまひめのみこと)
◆この神様の別称
豊玉比売命(とよたまひめのみこと)
豊玉媛命
◆この神様の神格・神徳
水の神、聖母神、福の神ともいわれる。
また農業・漁業・畜産・航海安全など幅広く、民族的な水霊信仰とも関係する祈雨の神、さらに安産守護、産婆乳母・縁結びの神として祀られています。
◆この神様が祀られている全国の主な神社
綿津見神社[高知県高岡郡檮原町]
高忍日売神社[愛知県伊予郡松前町]
与賀神社[佐賀県佐賀市]
海神神社[長崎県上県郡峰町大字木坂]
鹿児島神宮[鹿児島県姶良郡隼人町]
豊玉姫神社[鹿児島県川辺郡知覧町]
豊玉姫命(とよたまひめのみこと)は海の神の娘で、海幸・山幸の神話では、玉依姫命(たまよりひめのみこと)が妹になるとされています。
夫とされている山幸彦のもつ山の神の霊力と自分のもつ海の神の霊力を媒介する役割を果たしていたそうです。
また、これらのことから富と権力、子孫繁栄を保証する性格から、一般的には聖母神であると同時に福を招き、出世を約束する女神とも考えられています。
海幸・山幸の神話は、浦島太郎の昔話と殆ど似ています。
そんなことから、乙姫様と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)はイメージが重なるともいわれています。
乙姫様も豊玉姫命(とよたまひめのみこと)も、元々は海神信仰から出てきたものなのです。
弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)
◆この神様の別称
吾妻大明神(あずまだいみょうじん)
◆この神様の神格・神徳
海の神を祀る巫女の神格化
出世開運、商売繁盛、縁結びなど
◆この神様が祀られている全国の主な神社
走水神社[神奈川県横須賀市走水]
橘樹神社[神奈川県川崎市高津区子母口]
吾妻神社[神奈川県中郡二宮町山西]
橘神社[千葉県茂原市本納]
大鳥神社[東京都目黒区下目黒]
弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)は日本武尊(やまとたけるのみこと)の伝説に登場する女神です。
弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)は日本武尊(やまとたけるのみこと)の妻として、夫への愛を貫き、夫の使命達成のために自分の命を海の神に捧げる場面は、ロマンチックな純愛と悲劇性で昔から人々の心をとらえてきました。
神命の「橘」は、一種の霊樹です。
常緑種で、冬でも枯れずに実をつけることから、強い生命力の象徴とされました。
このような生命力の象徴と海神(わたつみのかみ)に仕える巫女的な性格が、戦士としての日本武尊(やまとたけるのみこと)の力をより強めたと考えられます。
弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)を祀る神社は、ほぼ神奈川県、千葉県、東京都に限られ、日本武尊(やまとたけるのみこと)と一緒に祀られています。
神功皇后(じんぐうこうごう)
◆この神様の別称
息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)
息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)
聖母大菩薩(しょうもだいぼさつ)
◆この神様の神格・神徳
聖母神、武芸の神といわれる
母子神として安産・子育て守護の他、勝ち運を授ける神様として入試合格、厄除け、病魔退散、家内安全、開運招福など
◆この神様が祀られている全国の主な神社
香椎宮[福岡県福岡市東区香椎町]
住吉大社・第四本宮[大阪市住吉区住吉]
岩清水八幡宮[京都府八幡市八幡町]
城南宮[京都府京都市伏見区下鳥羽中島宮の前町]
宇佐神宮[大分県宇佐市南宇佐]
鶴岡八幡宮[神奈川県鎌倉市雪ノ下]
気比神宮[福井県敦賀市曙町]
忌宮神社[山口県下関市長府宮の内町]
鹿児島神宮[鹿児島県姶良郡隼人町]
その他
八幡神社の本社・摂社・末社の聖母宮
聖母八幡宮、神母神社など
神功皇后(じんぐうこうごう)は、「古事記」では息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)の名前で呼ばれ、神社でもその名前で祀られていることがあります。
「息長(おきなが)」は、地名(近江国坂田郡にある息長)の意味か、長寿の意味といわれ、「足(たらし)」は尊称です。
そもそも神功皇后(じんぐうこうごう)は、第十四代仲哀天皇の后で、八幡神として祀られている第十五代応神天皇の母といわれています。
戦前まで神功皇后(じんぐうこうごう)は実在の歴史上の人物だと考えられていましたが、戦後研究が進み実在した人物をモデルにした伝説上の人物という説が強くなってきました。
そのモデルは、推古天皇、斉明(皇極)天皇、持統天皇の3人の女帝です。
神功皇后(じんぐうこうごう)のお話は、「古事記」では仲哀記、「日本書紀」では神功皇后紀の中に詳しく記されています。
神功皇后(じんぐうこうごう)は、神話などの伝説に描かれる姿から、邪馬台国の卑弥呼とイメージが重なるともいわれます。
聖母神・母子神として信仰される一面もありますが、戦前では「武の神」の部分が大きく取り上げられ、国の軍国主義政策の精神的な支えの神様として利用されていました。
玉依姫命(たまよりひめのみこと)
◆この神様の別称
玉依比毘売命
玉依日売命
玉埼神(たまさきのかみ)
◆この神様の神格・神徳
子宝・安産守護、豊作豊漁、殖産興業、商売繁盛
開運・方位除け、悪病・災難除けなど
また海(水)の神、聖母神ともいわれる
◆この神様が祀られている全国の主な神社
賀茂御祖神社[京都府京都市左京区下鴨泉川町]
吉野水分神社[奈良県吉野郡吉野山]
青梅神社[新潟県加茂市加茂]
玉前神社[千葉県長生郡一宮町]
知立神社[愛知県知立市西町神田]
玉井宮[岡山県岡山市門田]
筥崎宮[福岡県福岡市東区箱崎]
宇美八幡宮[福岡県糟屋郡宇美町]
宮崎神宮[宮崎県宮崎市神宮]
など
「玉依」は「霊憑(たまより)」からきたもので「神霊が依り憑く」という意味だそうです。
よって、玉依姫命(たまよりひめのみこと)の呼び名は、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)などのような固有名詞ではなく、古代の神祭りにおいて重要な役割を果たした巫女のような乙女の機能を象徴する一般的な呼び名なのです。
神話に出てくる玉依姫命(たまよりひめのみこと)は、美しい海神の娘でした。
姉の豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が生んだ子を義母として育て、その養子が育った後にその養子の妻となって4人の子どもを生みます。
その第4子が神倭磐余彦命(かんやまといわれひこのみこと)で、のちの初代天皇で建国の祖とされる神武天皇です。
このように義母や母としての姿が子孫繁栄の神様として語り継がれて現在に至っているようです。