金比羅さま



金比羅さま[金比羅神(こんぴらしん)]

◆この神様の別称
金毘羅大権現(旧称)

◆この神様の神格・神徳
神格:漁業・航海の神、農業殖産の神
神徳は、漁業、航海守護の神、諸願成就の神、農業守護や雨乞いの神、金運、商売繁盛守護の神など

◆この神様が祀られている全国の主な神社
金刀比羅宮[香川県仲多度郡琴平町]
そのほか全国の金比羅神社、琴平神社、金刀比羅神社

昔から「讃岐のこんぴらさん」として全国的にその名が親しまれ、江戸時代には伊勢参りと並んで「金毘羅参り」が庶民信仰として大いに広まりました。
金刀比羅宮の社殿が建つ象頭山(琴平山)は、古くから瀬戸内を航行する船の目印でした。
日本の海岸地域の各地にあるいわゆる「日和山」だったのです。
生きる人々は、日和山に神霊の存在を感じ、海上安全を願って厚く信仰してきました。
それが後に、金毘羅信仰が全国的に広がる下地になったといわれています。
各地の日和山の神霊のなかでもとくに讃岐の金毘羅大権現は、皇室に崇敬されることによって群を抜く霊威を獲得しました。
そこで有力な神霊が、元々全国各地の日和山の神霊や名もない海の神が祀られていた場所に勧請(かんじょう)されるようになったのです。
それが金比羅神社、金刀比羅神社、琴平神社と呼ばれる神社です。

金毘羅さんは、昔から航海の神、船の神として漁業関係者や航海に関わる人々に厚く信仰されてきました。
新しい船が建造されると、船主は船頭や船員をともなって必ず金毘羅さんに参詣し、立派な船の絵馬を奉納するのが習わしになっています。

金毘羅さんは、元々インドのクンピーラ神だといわれています。
仏教では、釈迦を助けた十二神将(仏教の守護神)の1人とされていて、漢訳して吉見羅大将、金比羅童子とも呼ばれました。
クンピーラ神は、ガンジス川に棲む鰐(わに)の神格化されたもので、日本に入って来ると海神や龍神に比定され、海難や雨乞いの守護神として信仰されるようになりました。
それがやがて金毘羅神として祀られるようになったのです。

古来、雨乞いの神というのは、五穀豊穣をもたらす神でもありました。
それゆえに農業者の信仰もあつかったのです。
特に雨が少ない地方では、田植えの時期に旱魅(かんばつ)に悩まされることが多く、人々は金毘羅さんに参拝して降雨を祈りました。